汚れや変色、傷みのある共箱に入れられた骨董木製漆塗りの菓子盆15枚です。
共箱の蓋表の文字は汚れや変色で読めません。
裏には「文政元年 寅正月吉日」、「増田所有品」。側面には「菓子盆 ?拾人前」と、?は五と読めますが。
何人前や何客などの数量は、通常は蓋表ではなく蓋裏に書かれることが。出品のものは蓋裏にはなく、側面に道具名と数量が。この数量に疑問が。
共箱に入っていたのは15枚、元々の数量かどうかは不明ですが、?拾が五拾なら収納不可、弍拾なら収納可能ですが?は弍とは読めません。?拾は、五・拾、拾五の書誤りだった、いずれも可能性は低く、?は五ではないのかも。
また、裏の所有者名の筆跡、筆圧は年号のものとは異なり、年号の筆跡は、側面のものとも異なるように思えます。2ヶ所は後に加筆された?箱書きの内容はミステリアスです。
ちなみに、文政年間(1818年〜1830年)は江戸時代末期、文政元年の干支は「戊寅(つちのえとら)です。出品の菓子盆は、文政元年のものなら、200年以上の経年、アンティーク品です。
経年のため、共箱の汚れや変色、傷みは相当にありますが、菓子盆は以下のような状態で、経年の割には比較的良好な状態です。
汚れやくもりは少なく、塗りの光沢は残されています。細かな線傷や底にスレは見られますが、欠け、ヒビはほぼなく、反りなどの変形も見られません。写真16に見られるように、4枚の縁に若干の、上の1枚には身に小さな塗り剥げがあります。見落としがあるかも分かりませんが、あればご容赦ください。
菓子盆の底に朱で「キ」のような記号が。漆芸家や塗師の銘、或いは屋号だと思います。「輪島塗」の可能性はありますが、「輪島塗」以外にも、黒塗りの底に朱の記号ある古い漆器が見れます。
大きさ(㌢)重さ(㌘)は平均で次の通りです。
直径17.5、高さ2/
重さ92(5枚単位454、461、462)/
共箱は、縦40横20.5高13、重855/
黒漆塗りの菓子盆15枚です。文政元年とすれば経年200年以上、経年の割には劣化が少なく状態は比較的良好です。漆器は、直射日光や極端な乾燥を避け、適切な手入れをすれば相当長く使えるようです。
ミステリアスな箱書き、文政元年のものか、果たして「輪島塗」か、などに明解は出せませんが、劣化の少ない漆器であり、菓子盆以外にも色々な用途にご活用下さい。
カテゴリー:
ホビー・楽器・アート##美術品・アンティーク・コレクション##工芸品